【小売業界向け】おすすめのパスワードマネージャー5選
小売業は、PCI(Payment Card Industry)コンプライアンスや SOC I/II など、多くのコンプライアンスに準拠しており、それには、独自のパスワードセキュリティ要件も含まれますが、たった一度のサイバーセキュリティ事故による風評被害は、売上損失や倒産につながる可能性さえあるため、小売業者は最低限の基準を超えて対応することが賢明です。小売業界では顧客の個人データのセキュリティを確保するのに、パスワードマネージャーの使用が必要なのです。
そこで本記事では、ビジネスに最適なソリューションを選ぶべく、小売業に最適なパスワードマネージャを5つご紹介します。
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小売業のパスワードマネージャーに求められる具体的な要件
小売業には、主に「EC」と「実店舗」という2つの形態があり、両者のニーズは異なりますが、完全オンラインの小売業者には他の小規模企業と同様のパスワード管理ニーズがあることが多く、大抵の大規模小売業者はハイブリッドビジネスモデル、つまり物理的な場所とオンラインでの店舗を持つというモデルで運営されています。
実店舗を構える小売業向けのパスワードマネージャーに求められるユニークな要件としては、以下が挙げられます。
- 拠点間で拡張可能
- 使いやすく導入しやすい
- ITなしで導入可能
- 離職率の高い組織にも対応
- プラットフォームを超えて使用可能
- 多要素認証によるセキュリティ強化
- 予算に優しい
1.拠点間で拡張可能
小売業では多くの場合「成長か終わりか」という枠組みに従っています。供給管理から広告予算に至るまで、小売業の運営は、利益を上げるのに規模が必要なことが多いため、成功を収めている小売業の多くは、次に進出する都市、州、国を模索しています。
そのため、小売企業は、共に拡張できるベンダーパートナーに注目していることから、POS(販売時点情報管理)、セキュリティ、パスワードマネージャーなど、数カ所から始めて全国展開できるソリューションが必要です。
そしてパスワードマネージャーの場合、これは組織内に無制限のユーザーが存在すること、個別のチームまたはグループ(部門横断的なものを含む)を作成して、必要に応じたユーザー権限の追加や削除ができるということになります。
2.使いやすく導入しやすい
小売企業の本社や地域の経営陣は MBA を取得したベテランのプロフェッショナルですが、現場の従業員はまだ高校生などの学生であることが多く、また、店舗レベルの管理職は、IT の訓練も受けていない可能性があります。
よって、小売業に最適なパスワードマネージャーは、導入が簡単で、正式なトレーニングを受けていないパートタイマーなどの全従業員にとって使いやすいものでなないといけません。そうでないと、パスワードシートの使用など、リスクの高い習慣にチームが戻ってしまう危険性があります。
3.IT なしで導入可能
同様に、本社には専門の IT 部門があっても、各店舗には技術サポートがほとんどなく、イーサネットケーブル配線などの大規模なプロジェクトの場合だと、MSP(マネージド サービス プロバイダー)が現場にサービスを提供する場合があります。
ただ、パスワードストレージアプリのようなハードウェアコンポーネントを持たない小規模なソリューションの場合、各拠点が独自に対応することになります。なので、プラグ&プレイのソリューションは小売業に最適です。
4.離職率の高い組織にも対応
若い従業員の離職率は高く、合わなくて辞める従業員がいたり、優秀な従業員でも、新しくて刺激的な機会を求めて去っていくことがよくあります。そして円満退職であるかどうかに関わらず、元従業員は皆、サイバーセキュリティ事故の潜在的な媒介者となります。
そのため、従業員が退職する際、ユーザーのアクセスをすぐに取り消せるようにすることが重要です。また、従業員が新しい役割に移行する場合も同様に、不要になったツールにアクセスできないようにすることが重要です。
ただし、離職率の高さは必ずしも従業員に限ったことではありません。例えば、小売業で SNS マーケティングに役立つ適切なプラットフォームが見つかっていない場合に、たとえば誰がどのくらいの頻度でツールを使っているかを把握できるパスワードマネージャーが、新しいベンダーが必要であることがわかる最初のきっかけとなる可能性があります。
5.プラットフォームを超えて使用可能
小売業の構造にもよりますが、ユーザーはノートパソコンやモバイルデバイス、Microsoft 製品や Apple 製品、さまざまなブラウザを組み合わせて使っている可能性があります。ハードウェアやソフトウェアの種類に関係なく、従業員が誰でも必要なときにパスワードにアクセスできるようにするには、どのプラットフォームでも動作するパスワードマネージャが必要です。
6.多要素認証によるセキュリティ強化
MFA(多要素認証)または 2FA(2段階認証)は、アカウントに提供されるセキュリティの追加層です。パスワードは漏洩する可能性があるため、この追加チェックでアカウントの安全性が保たれます。
また、強力なマスターパスワードと組み合わせると、MFA を備えたパスワードマネージャーは、全アカウントに追加される第2の防御線のようになります。
7.予算に優しい
前述のように、小売業の利益率は極めて低い場合が多く、実際、一定の規模に達するまでは赤字になることも少なくありません。なので、Nike や Walmart のような大手の小売業者であっても、あらゆる決定のコストについて考える必要があります。
ありがたいことに、本記事のおすすめパスワードマネージャの中には、予算に見合ったオプションが含まれています。
関連記事(英語): 3 Best Password Managers for CPAs and Accounting Firms(公認会計士と会計事務所に最適なパスワード管理ソフト3選)
小売業に最適なパスワードマネージャー5選
小売業に最適なパスワード管理ツールとして、以下の5つが挙げられます:
- TeamPassword
- Bitwarden
- LastPass
- 1Password
- Google Password Manager
1.TeamPassword
TeamPassword は、小売業向けに設計されたユーザーに優しいパスワード管理ソリューションです。直感的なインターフェースにより、パスワードの保存とアクセスがシンプルになり、技術に詳しくないスタッフでも難なく使うことができます。
また、オンボーディングプロセスが簡単なため、小規模な小売企業でも専任の IT サポートを必要とせず、TeamPassword をサッと導入することができます。
サイバーセキュリティはどの小売業者にとっても不可欠です。TeamPassword は、強力な暗号化手段でセキュリティを優先し、機密データを保護し、不正アクセスを防ぐことで、小売業者とその関係者に安心をもたらします。
そして TeamPassword では、カスタマイズ可能なグループを無制限に作ることができることから、小売業者はパスワードを分類してチームメンバーと安全に共有することができます。これは、従業員の入れ替わりが激しい環境では特に重要であり、それで元スタッフが重要なアカウントにアクセスできないようにすることができます。
TeamPassword は、小売業者が簡単に導入して業務に統合できる、手間のかからないパスワード管理ソリューションを提供することを目指しています。問題が発生することはまれですが、専用のカスタマーサポートが月曜日から金曜日の午前9時から午後5時 (日本時間)まで提供されており、平均応答時間5分未満で電話とメールによる対応が行われます。
さらに、TeamPassword は予算重視の小売業に適した競争力のある料金プランを提供しており、機能ニーズに応じて年間サブスクリプションのユーザーあたり月額400円から800円の範囲となっています。また、月額プランも用意されているため、さまざまな予算の企業にも柔軟に対応することができます。
2.Bitwarden
Bitwarden はオープンソースのパスワード マネージャーであり、専任の IT スタッフがいないと実装が複雑になる可能性がありますが、他の多くの製品よりも予算に優しくなっています。
一度セットアップすれば、ユーザーは組織のパスワード保管庫を通じて安全にパスワードを共有することができますが、サポートの際はメールに限られます。
料金については、無料プランも用意されており、手頃な価格も大きなメリットとなっています。価格帯はユーザー1人あたり月額無料から6ドルで、厳しい予算にも対応しています。
3.LastPass
LastPass は最も広く使われているパスワードマネージャーですが、セキュリティ侵害があったことによってシェアは落ちてきています。LastPass には脆弱なパスワードを特定するためのセキュリティダッシュボードや、信頼できる個人のための緊急アクセスなどの機能が備わっています。
LastPass は メールや共有フォルダでパスワードを共有できるため、スタッフが変わってもセキュリティを確保できます。
料金は個人向けが無料から、チーム向けがユーザー1人あたり月額4ドルからで、特定の統合には追加で費用がかかります。
4.1Password
1Passwordは、個人、家族、企業向けの多目的パスワード管理ツールであり、PIN や生体認証によるロック解除により、パスワード保管庫にサッと安全にアクセスできます。また、Watchtower 機能で、漏洩したパスワードがユーザーに警告されることから、セキュリティが強化されます。
カスタマイズが可能な点は評価できますが、インターフェースが複雑だと感じるユーザーもいる場合があり、それが採用に影響する可能性もあります。その可能性を最大限に活かすには IT スタッフが必要かもしれませんが、パスワードの共有は 1Password ユーザーでなくても比較的簡単です。
そしてサポートには、お問い合わせフォームとコミュニティフォーラムがあり、料金は、組織向けだと、ユーザー1人あたり月額7.99ドルからあります。
5.Google Password Manager
Google パスワードマネージャーは、パスワードの安全な保存や管理のためのわかりやすいツールです。Google のサービスとシームレスに統合されていることから、ユーザーにとって便利です。
ただし、従業員が Google ビジネス アカウントまたはエンタープライズ アカウントを持っていないと、小売業者は従業員が退職するとパスワードにアクセスできなくなるリスクがあります。そしてそのオプションは他のオプションよりも大幅に高価になります。
基本的な機能は備わっていますが、高度な機能がないため、小売店のニーズが全て満たされるわけではない可能性があります。また、サポートは主に Google のヘルプリソースを通じて行われるため、直接的なサポートは制限される可能性があります。つまり、すでに Google のエコシステムを利用している人には良い選択ですが、パスワード管理には潜在的なリスクが伴います。
TeamPassword は小売業に最適なパスワード管理ツールです
ビジネスの実現に必要なツールが備わっているのは TeamPassword だけです。オンラインでも実店舗でも、またはその両方でも、TeamPassword には小売業界のニーズに応えるのに必要な汎用性があります。
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